１０月７日（金）の全校集会で話したことを紹介します。
　ＡさんとＢさんがいます。適当な画像を見付けられなくて、「おもちゃを独り占め」「いきなりデコピン」「話しかけても無視」「いきないパイを顔面に」という画像ですが、ＡさんはＢさんに対して悪いことをしたとします。
　あなたがＢさんならどうしますか？きっと自分が感じた嫌な思いと同等かそれ以上の反撃をしたくなりますよね。
　でも、そうしたら、その後どうなるのでしょう？お互いがエスカレートして、大ゲンカになりますよね。

　そこで、ちょっと考えてみてください。Ａさんが、悪いことをしました。その「悪いこと」をしたのはＡさんで、罰を受けるのならＡさんです。自分が悪いことをして、自分が罰を受けるのです。完全にその人の問題で、その人の中だけの問題なのです。Ａさんが未熟で悪いことをしたのなら、そんな未熟な状態で生きていることは「あわれでかわいそうなこと」です。腹を立てるような事ではありません。Ａさんが悪意を持って悪いことをしたなら、悪意を持って生きていることも、悪意に操られることも、あわれでかわいそうとしか言いようがありません。しかもあわれな自分であることの責任を、Ａさんは問われるのです。全てＡさんの問題なのです。

　でも、「Ａさんがあんな事をするなら、私もこうしてやる」と言う人がいます。さっきの反撃と同じですよね。気持ちはよく分かりますが、おかしいですね。「Ａさんがあんなことする」はＡさんの問題ですが、「私もこうして」は自分の問題になるんですから。せっかく自分は問題なく生活していたのに、わざわざ自分を問題の中に落とそうというのです。こんなバカバカしい話があるでしょうか？しかも、相手と同レベルの「悪いこと」を、自分にもさせようという話です。相手が汚いから、自分も汚くなってやろう。相手がズルいから、自分もズルしてやろう。相手が乱暴だから、自分も乱暴してやろう・・・それこそ、あわれで不幸な話です。
　私たちは、自分がどんな人間になりいのかを、それだけを問題にすればよいのです。ズルい人を見たら、じゃあ自分はどんな人間でありたいのか。人を攻撃する人を見たら、じゃあ自分はどんな人間でありたいのか・・・。相手が何をしたかで、自分の生き方まで変わっちゃったらおかしいですよね。
　世界を見渡すと、国のトップの人が、「相手がこうするから、俺たちもこうする」とやっていますよね。おかしいですし、解決に向かっていくとは到底思えません。あなたたちが、これからの世界をリードしていきます。あなたが、どんな人でありたいか、どんな日本でありたいかをしっかり考えて、平和な社会を作っていって欲しいのです。そのためには、今身近にいる仲間に対して、自分のとっている行動を考えることから始まります。みんなで、さらに素敵な清里中を作っていきましょうね。