今日の出来事__
6月1日(水)全校集会でのお話(1)
(1)教育実習への協力ありがとう、(2)生徒総会お疲れ様、(3)定期テストに向けて勉強を頑張るみんなへアドバイス、の3つの話をしました。その中の、勉強へのアドバイスについて紹介します。
これは、外国のとある美術学校でのエピソードです。
陶芸の授業のとき、興味深い実験が行われました。先生はまず、クラスの生徒たちを、AとBの二つのグループに分けました。そして、Aグループの生徒たちに対してこう言いました。「今から作品を創ってもらいます。とにかくたくさん創ってください。皆さんの評価は、その創った作品の『数の多さ』によって行います」 一方、Bグループに対しては、こう言いました。「皆さんは、数は少なくてよいので、ひたすら良いものを創ってください。皆さんの評価は、創った作品の『質の高さ』によって行います」と。
つまりこういうことです。
Aグループは、作品の数が多ければ多いほど良い成績がもらえる。
Bグループは、たった一つの最高傑作を創ればよく、その作品の出来不出来で成績がつけられる。
採点の日が来て、興味深い事実が明らかになりました。なんと、優秀な作品は、すべて、“量(A)グループ”から生まれたのです。量グループの生徒は、たくさんの作品をつくっていく過程でいくつも失敗し、そこから学ぶことでいい作品を次々と生み出すことができたのです。それに対し、“質(B)グループ”の生徒は、完璧な作品について理屈をこねるだけで手を動かさなかったために、成果として残ったのは、壮大な理論と作品になりそこねた粘土だけだったのです。
John C. Maxwell著 斉藤孝訳「一勝九敗の成功法則」三笠書房・知的生き方文庫2010年3月20日発行より
考えてみればその通りです。「量」より「質」が大切なのは確かなのですが、何もせずに「質」の高い勉強なんてできる訳がありません。最初は、「質」が高くなくても、たくさんの「量」の勉強をしていくうちに、自然に自分にあった効果的な「質」の高い学習に変化していくのです。「量」をこなしていってやがてそれが「質」に転化するのです。まずは、あれこれ考えないでとにかくやること。これが答えです。今日から頑張ってくださいね。
2022年06月15日
杉本 知之